「村のおもかげ」とは?

村のおもかげ表紙

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「村のおもかげ(改版)」は、1938年郷土の先覚者、後藤寅五郎翁によって発行、1952年西川功氏によって改版されたもので、郷土の教育、産業、文化や伝説等が記録されている。

※ 五ヶ瀬アーカイブスの掲載資料(電子ブック)につきましては、歴史的価値を考慮し発刊当時のままご紹介しております。

【 編さん 】村のおもかげ編纂委員会(後藤 寅五郎、西川 功、細川 惟司、中崎 大三郎、武田 秀一、田中 順)
【 ページ 】220ページ
【 発行日 】1938年11月

後藤寅五郎ってどんな人?

1865年

1865年10月29日、大字三ヶ所字八重所に後藤数太郎の長男として生まれた。

1906年

農業を継ぐ傍ら村の産業振興に識見を持ち、寺本覚峰らと図って1906年岡山よりホルスタイン種種牛を購入、種牛組合を設立してその改良普及に努めた。

1912年

壮年にして既に衆望あり、村会議員、郡会議員等を歴任、1912年より1920年まで三ヶ所村長に就任するや、前村長佐藤毅、元村長西川谷三らの遺志を継いで山崎音人らと植林を奨励し、大字桑野内上赤谷に村有林36町歩余を植林して村有林造成と三ヶ所村林業振興の基盤を作った。

1925年

 村長在任当時、他の村内有志と図って電燈の導入に成功するなど数々の事業を残したが、特に三ヶ所村内開田の必要を痛感し、灌漑用水路の開さくを計画して耕地整理組合を結成、再三にわたる県への陳情の結果ようやく実施の運びとなり、自ら組合長となって1925年着工、予想以上の難工事を経て1927年4月、ついに大字三ヶ所尾原川、飯干川、戸根川を水源として川曲に至る延長24キロに及ぶ水路の開通を見るに至り、明治以来村民長年の悲願が達成された。その後の改良延長工事により一時は100町歩に及ぶ水田がその恩恵を受けたのである。

1948年

なお同組合及び三ヶ所村では、同氏の米寿を賀して1948年4月、宮野原浄専寺敷地内に氏の胸像を建ててその功績を讃えた。

1938年

 博覧強記、自らの記憶や古老の言をもとに1938年、三ヶ所村史とも言うべき「三ヶ所村 村のおもかげ」を編纂して、消滅しようとしていた村の歴史を後世に残すなど各分野にわたり数々の偉業を成し遂げ、晩年に至るまで村の元老的立場で町勢の発展に貢献。

1955年

1955年2月25日90歳の天寿を全うした。

「村のおもかげ」の見どころ


風俗、習慣

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年末年始の準備や御祝い、農作物関連の行事、祭り、冠婚葬祭などの村にまつわる風習が記されている。
年末年始の風習については、裏白の草が無いため餅の間にはゆづり葉を敷いたり、門松の代わりに樫の若木を庭先に立てるなど、村にあるもので土地特有の御祝いをしており、他にも「松入れ」や「そらかけ」といった興味深い風習が紹介されている。


教 育

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明治維新までの教育状況、はじめて設置された小学校の授業内容や学校後援会等について記されている。
今では当たり前のように存在する学校だが、明治維新までは教養のあったのは医師、神職、僧侶と少数の農民だけで、思い思い都合のよい人につき、寺子屋で勉強を習っていた。明治8年になってはじめて設置されたのが三ヶ所小学校と桑野内小学校で、授業時間は午前8時から午後4時頃までで、時計は無いので時間割がなかった事など、当時の教育状況について紹介されている。


農 業

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畜牛をはじめ、茶業、椎茸、植林、葉煙草などにおける当時の課題と成果について記されている。
純国産の在来種における繁殖と改良が緊急事業とされていたなか、後藤寅五郎は村内有志と共に種牛組合を設立し洋種牛「ホルスタイン種」を購入した。
農林水産大臣賞を受賞した「釜炒り茶」など、茶業においても幾多の苦悩の末に出来上がった事が紹介されている。


郷土舞踊

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五ヶ瀬の代表的な舞踊である荒踊りや臼太鼓踊りの成り立ち、歌の解説が記されている。
荒踊は坂本城主坂本伊賀守正行が天正年間につくりはじめ、慶長年間に孫の入道休覚が現在の三ヶ所神社に奉納する令を定めたことにより始まったものと記されている。(一説によると近江国(現在の滋賀県)から伝わったものともいわれている)


西南役と本村

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延岡、熊本間の街道に当たる三ヶ所村は、西南戦争のおいて初めは薩摩郡慶援隊の通過する所となり、中頃は官軍の追撃路となり、終わりには西郷隆盛の退路となった。三田井と上野村の境にある尾坂と鏡山の戦いは臼杵郡における稀に見る激戦で、三ヶ所村からみた西南戦争の様子が紹介されている。


伝 説

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二上山、千穂上り岳、興梠性虎、三田井氏滅亡から河童まで村にまつわる様々な伝説が紹介されている。国家有事の際に鏡山から放たれた四方を照らす不思議な光「神光り」といったものや、特異な蹄の跡が確認されたが、その姿を見ない御神馬「龍の駒」などが記されている。

「村のおもかげ」編集委員

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